李克強首相が4日に招集した中国中央政府、国務院の常務会議は、政府の許認可項目52種を廃止することを決めた。中国政府は年内に許認可項目200種以上を廃止する方針だ。李首相は規制緩和を経済の活性化や政権への信頼にに結び付けようとしているが“権限を奪われる”側の役人や既得権益層の抵抗も予想される。

 李克強首相は、自国の現状について中央・地方政府の権限が大きすぎることが、経済発展などの足かせになっていると認識している。そのため、3月17日までに国務院の60部門に扱っている許認可項目すべてを報告させ、1235種をすべて公開した。情報関連を扱い「秘密のベールに覆われている」とされる安全部も許認可項目を報告するなど、これまでの中国では異例の動きとなった。

 国務院は許認可項目1235種のリスト公開を、「規制緩和や民間への権限移譲を進めるため」と位置づけ、行政側が公表したリスト以外の許認可項目を実施することや、すでに取り消した許認可項目を、名称を変更して実施することを厳禁した。

 4日の国務院常務会議では、零細企業が所得税優遇を受ける場合の認可や個人経営事業者が(登録)失業者を雇用する場合の税優遇についての許認可など、投資や起業に関連する許認可項目34種が撤廃された。また、大学などが研究基金を創設する際の許認可なども廃止された。

 同会議は商工業業者の登記に際して、これまで事前許可が必要だった36項目について事後許可に変更した。一部の専門職についての、技術職業資格を撤廃した。

 今回の許認可の撤廃などは就業機会の拡大や大学や研究機関の研究における自主権を拡大し、科学研究を活性化する効果をもたらすと期待されている。

 李克強首相は規制緩和について、行政側の「監督」が今後は一層重要になると説明。役所側からみて規制緩和は「放」、行政側の管理監督は「管」だと表現し、「『放』と言っても『放任』ではない。『管』といっても、がんじがらめに縛るのではない」と述べ、いずれの場合にも「適切さ」が必要との考えを示した。

 中国にかぎらず、役所/役人の権限が大きい場合、不正が発生しやすい状況になる。その意味で、李克強首相の「規制緩和」は習近平主席が中心となって進めている「腐敗撲滅」の方針にも合致することになる。

 ただし一方では、“権限を奪われる”側の役人や既得権益層の抵抗も予想される。李首相の改革がどこまで成果をだすかについては予断を許さない状況にある。(編集担当:如月隼人)