米国経済戦略研究所のクライド・プレストウィッツ所長はこのほど、英紙フィナンシャル・タイムズに文章を寄稿し、米国は尖閣諸島(中国名:釣魚島)やスカボロー礁(中国名:中沙諸島黄岩島)のために中国と戦争することはあり得ないと主張した。香港メディア・中国評論社が報じた。

 尖閣諸島をめぐる中国との対立を受け、米国による保障の言葉を求めていた日本に対し、オバマ大統領は日本訪問前と訪問中に「日米安全保障条約第5条の適用対象だ」だと明言。尖閣諸島について、米国の大統領が「日米安保条約の適用範囲内にある」と公に明言したのは、オバマ大統領が初めてとして非常に大きな注目を集めた。

 だが、プレストウィッツ所長は、「尖閣諸島のために米国人が死ぬことは、ウクライナのために死ぬことよりも筋が通らない」と述べ、日本や韓国など米国の同盟国は保障を求める一方、米国にはその見返りがないと指摘。「米国は日韓を守ることを承諾しているが、逆に日韓は米国を守ることを約束していない」と主張した。

 プレストウィッツ所長はまた、日本などが米国の保障を求める理由は「中国の勃興を牽制すること」にあると指摘する一方、「中国への投資を増やし、経済面での中国依存を深めている米国は、貿易や金融政策の面で中国政府を怒らせるようなことはしない」と主張した。

 さらにプレストウィッツ所長は、中国に対するけん制は日本などにとっては利益になるとする一方で、「米国にとっての利益は見当たらない」とし、オバマ大統領は日本などアジアの国々に対して「米国の約束がどれだけ信用できるか」を伝えるよりも、「日本などが米国のために何をしてくれるのか」を問うべきだと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)