新年を迎えるに当たり、親類や知人の子に「お年玉」を渡す習慣は、日本も中国も同じだ。違いと言えば、中国では春節(旧正月、2014年は1月31日)をもって「年越し」と考えることだ。

 L君は父親が江蘇省内の地方政府の官僚だ。春節ともなれば、年賀のあいさつにやってくる人も多い。それぞれがL君に「お年玉(中国語では紅包=ホンバオ)を渡してくれる。L君はもう18歳になるが、まだ未成年ということで、それほどはおかしくない。

 しかし、客のひとりにもらったお年玉の額に、L君は驚いてしまった。3000元(約5万900円)もあったからだ。いくらなんでも、非常識な「高額お年玉」だ。その人は「とにかく年越しなんだから、おいしいものでも食べなさい」と繰り返したという。

 L君の報告を受けて、両親は相談をはじめた。「とにかく、すぐ返すべきだ」ということになった。そこでL君の父親はL君を連れてその日のうちに、L君に3000元のお年玉をくれた人の家に行った。そして、あらためて新年のあいさつをして、その人の息子に「3000元のお年玉」を手渡して帰ってきた。

 L君の父親によれば、3000元のお年玉をL君に渡した人は商売をやっている人で、具体的な意図はわからないが、「何か便宜を図ってもらいたいことがあった」ことは確実という。とはいっても、「突き返した」のではカドが立つ。L君の父親は、「お年玉のお返し」という形式にすれば、比較的安全と判断したという。

 中国では習近平政権が2012年に発足して以来、厳しい姿勢で綱紀粛正に臨んでいる。その結果、官僚の子がもらう「お年玉」の総額は前年と比べて激減したという。L君の場合、それでも高額のお年玉を渡そうとする者がいて、L君の親も“適切”に処置したということで、「3000元のお年玉」の逸話も、日の目を見たということだろう。同話題は、新京報や中国新聞社などが報じた。

 なお、北京晩報は、同市内にある親が官僚である家で「今年はお年玉を一切いただかない」と決めたために、子どもが「経済損失を補償すべきだ」などと親に求め、深刻な家庭の不和が発生する例が相次いでいる。

 子どもの学年は小学生から高校生までで、「これまでは同級生よりも、もらうお年玉の総額がずっと多かった。今年もそのつもりだったのに、いきなりなくなった」といきり立っている「官僚の子」もいるという。(編集担当:如月隼人)