広東省広州市の華南植物園は、希少な植物の芽などを摘み取ったり、草の場合には引き抜いて持ち去る人が続出して、困り果てている。“現行犯”として取り押さえて問いただすと、「旬の味・珍味」などとして自宅で調理して食べることを目的にする人が多いことが分かった。中国新聞社などが27日付で報じた。

  深刻な被害を受けている植物のひとつが、国家一級保護植物に指定されている、黒沙羅(和名:クロヘゴ)だ。新芽が出る季節になると、摘まれてしまう。“現行犯”を取り押さえて問いただしたところ「自宅で炒めて食べるつもりだった」と供述した。

  動植物園園芸センターの廖景平副主任によると、40代と見られる女性が、かなり高齢の女性の手を引いて、園内を歩くのを見たことがある。「息子さんの嫁かな。義理のお母さんを散歩させているのだろう」と感心した。

  ふたりは時おり早足になりつつ薬草園に向かった。そして一心不乱にお目当ての草を引き抜き始めた。「とにかく大急ぎで走って行って、やめさせるしかありませんでした」という。

  薬草園では特に被害が大きく、四季を通じてそれぞれ、狙われる植物が決まっている。取り押さえて事情を聞くと、“収穫”に適した季節を知っており、「これは煎じて飲むと子供によい」など、用途も熟知している。

  70代の男性が、木に登って油を搾れる実を採っていたこともある。ただちにやめさせて事情を聞いたところ、やはり自宅で油を搾ることが目的だった。かなり大量に採っていたことについては「親戚に分けようと思った」と説明した。

  早春のワラビ園も被害が甚大だ。「旬の味」を楽しもうと、次々に新芽が引き抜かれる。

  野生ランは、移植しても数日ですべてなくなる。高級家具の材料になる黄花梨は、大きな枝がのこぎりで切られて持ち去られた。園側はその後、黄花梨を頑丈な鉄の柵で囲んで保護することにした。職員のひとりは「植物の展示はできるだけ自然な状態が望ましいのですが、どうしようもありません」と残念そうに語った。

  廖副主任によると、監視カメラを200台以上に増やした。そして警備員50人以上が巡回している。しかし、同植物園は敷地が約353ヘクタールと広大で、不心得者が押しかけてきた場合、現状ではとても防御できるものではないという。(編集担当:如月隼人)